クリニックの内装・設計にあたり、「自分の理想・好みのクリニックにしていきたい」というご希望の医師が、たくさんお見受け致します。自分のクリニックを開業するのですから、当然のことでしょう。
しかし、クリニックに足を運んで頂くのは、患者様ということも念頭に置いてみてください。不安な気持ちで来院する患者様が、落ち着けるか、また来たいと思うかは、医師や看護師の対応だけではなく内装のデザインも影響しています。内装デザイン一つで患者様の印象や集患に大きく影響するといっても過言ではありません。
クリニック内装のポイント
ファーストインプレッションにクリニックそのもののイメージに大きな影響を与えます。同等の内容とレベルの診療を行っているクリニックは2か所あるとしたら、外観や内装が優れていて清潔感のあるクリニックが選択されることは間違いありません。
細部へのこだわりは、患者様へ安心感を与え、クリニックのブランディングとなり、集客に結び付いていきます。
リピートを促せるデザイン
患者様にとってクリニックは、治療やつらいリハビリのために来る場所であって、出来ることならば来たい場所ではありません。よってどの診療科目のクリニックにおいても、ターゲットとなる患者様が落ち着いて過ごすことができ、呼び込める内装である必要があります。
例えば、清潔感がなく暗いクリニックだと居心地が悪く、患者様はリピートをしないどころか、早く帰りたいとまで思うでしょう。しかしクリニック内が明るく開放的な空間であれば、心を和ませることができ安らぎをもたらすでしょう。
また、エントランスや待合はクリニックの顔です。出入りがしやすく、清潔感があり落ち着ける空間を提供することで、待ち時間の苦痛も和らぎ、リピートを促せるでしょう。
リラックスできる調光と適切な照明
クリニックの内装において、調光と照明は重要な要素です。
適切な自然光は、ストレスを軽減しリラックス効果などがあります。患者様の快適性を⾼めることによって、⼈のもつ治癒⼒を呼び起こし、環境そのものに“癒し”の効果があるといえます。
しかし、自然光だけでは不十分な場合に照明の役割が重要になります。
受付や待合室では明るくやさしい照明に、診察室や治療室では暗すぎず明るすぎない照明にするなど、機能に合わせて調整することが大切です。
退屈しない待合室
クリニックが混雑している時間帯では患者様が長時間待たされることもあります。その間でも退屈しないように工夫を凝らすことも、患者様もリピ―トにつながります。
・壁掛けテレビを設置し、テレビ番組や自院PR動画を流す
・呼び出し番号をお渡しして、待ち時間をモニターに反映する
・薄暗く無機質な待合室では、患者様がストレスを感じやすくなるため、気持ちよく過ごせるように光と植物を取り入れる
クリニック設計のポイント
クリニックを開業する際には、患者様やスタッフの快適さを考えた設計が重要です。クリニック設計のポイントは、診療科や立地によって異なりますが、一般的には以下のようなことに注意しましょう。
待合室とトイレ
待合室は患者様の最初の印象を決める場所です。広さや座席数、照明や色彩など、患者様がリラックスできる空間にしましょう。また、トイレは清潔感があって使いやすいものにしましょう。
動線とバリアフリー
動線とは、患者様やスタッフが移動する経路のことです。動線はできるだけシンプルで効率的にしましょう。また、車いすやベビーカーなどを利用する方にも配慮したバリアフリーな設計にしましょう。
診察室と設備
診療室は患様様と医師のコミュニケーションの場です。プライバシーを守りつつ、快適で安心できる空間にしましょう。また、診療科に応じた必要な設備を適切に配置しましょう。
クリニック設計は、患者さんやスタッフの満足度を高めるだけでなく、医療の質や効率も向上させることができます。
まとめ
外観、内装どちらにおいても、明るくて清潔感のある良い印象を与えることができます。見た目の印象がいいと、医療サービスにおいても患者の再来院にもつながる重要なポイントになります。
このようにデザインは、医師の診療においてのコンセプトを活かしていくためにとても重要なものです。診療科目や患者様の年齢層によっても異なります。患者様のターゲット層や悩みを意識しながら慎重に考えていくことが大切です。