「坪単価〇〇万円」は、本当なのか?
クリニックの開業費用のなかでも、大きな割合を占め、多額の費用がかかってしまうのは内装工事費用です。
従来の住宅の戸建てですと、「坪単価〇〇万円」などと、ある程度決まった相場があると思います。同様にクリニック内装工事の坪単価は、一般的には約40万円/坪程度とされています。
しかし、内装工事の坪単価は、実施する面積がどれくらいか、物件がスケルトンか居抜きか、クリニックの診療科目などによって費用が大きく変わってくるため注意が必要です。
クリニック内装工事の費用内訳
クリニック内装工事の費用内訳は以下の通りです。
・内装・設備工事
・設備機器・備品の購入費用
設計・デザイン
設計・デザイン費用は、クリニックの規模や状況によって違うため、一般的な相場がありません。
主に以下の3つの方法で算出されます。
・人件・技術費から算出 … 内装工事や設備工事にかかる人件費から設計・デザイン費用を算出
・坪単価から算出 … 「クリニックの坪数×工事内容の単価」で設計・デザイン費用が算出
内装・設備工事
診療科目物件の状態が「居抜き物件」か「スケルトン物件※」かによって大きく変動します。一般的に、居抜き物件よりもスケルトン物件の方が坪単価は高くなります。
医療機器の状態にもよりますが、前のオーナーが使用していた医療機器などをそのまま活用できるなら、居抜き物件の方が費用を抑えることが出来ます。抜き物件を活用する場合は、残された設備が問題なく使用できるか、事前確認は必要です。
設備機器・備品の購入費用
設備機器・備品の購入費用は、選ぶものによって金額が大きく変動します。
また、医療機器本体の料金に加えて、設置費用などもかかるため資金繰りに影響を及ぼす可能性が高くなります。特に開業時は資金難に陥りやすいため、必要最低限の医療機器を選定し導入しましょう。
内装工事費用を抑える際のポイント
内装工事費抑えるには工事項目を減らしたり、素材のグレードを下げれば簡単に抑えることが出来ます。しかし、それでは理想をするクリニックが実現せず、患者様のとって居心地の良いクリニックにはならないでしょう。
内装工事費を抑えるには、価値を維持しながら如何にコストを適正化できるかが重要です。
・居抜き物件の活用
・坪単価だけで業者を選ばない
相見積もり
クリニックの内装費用を抑えるためには、相見積を取ることも重要です。1社のみの見積では、提示された価格が適正なのかどうか判断がつきづらく、費用相場も把握していない状態で、業者を選ぶと高い金額を請求されているかも判断できません。
しかし、見積を取りすぎてしまうと、どこを選べば良いのかわからなくなってしまい、収拾がつかなくなります。また、費用だけで選ぶと仕事の質が低い可能性もあるため「実績」もプラスして確認するのがおすすめです。
居抜き物件の活用
居抜き物件には、以前使っていたクリニックの医療機器や内装が残っている可能性が高い傾向です。開業に伴い再利用できると、医療機器の購入費と内装工事費の削減につながります。
ただし、居抜き物件だと設計の自由度が低く、思い描く内装にならない可能性もあります。また、設備を利用できても中古品ですので保証もなくいつ壊れるかもわかりません。
リスクやデメリットを理解した上で、居抜き物件を活用しましょう。
坪単価だけで業者を選ばない
坪単価といっても、内装業者によって価格設定が異なる場合があります。坪単価に他の費用も加えた金額を提示している場合もあるでしょう。坪単価を安く見せるために内装工事費用のみで坪単価計算をする業者もあります。坪単価の安さだけで判断せずに、見積価格の中にどんな費用が含まれているのか、しっかりと確認しておきましょう。
まとめ
クリニックの内装は、多額の費用がかかってしまいますが、集患や増患に大きく影響を与える重要な部分です。今回ご紹介した費用相場や価格を抑えるポイントをしっかり押さえて、r理想とするクリニックを築いていきましょう。